雨の日は、傘のおかげでぱーっと花が咲いたようになる。
私はそれを見るのが好きだ。
25年前のグランドスタッフをしていた頃、研修講師としても人としても尊敬している
坂本敦子先生が、「雨の日こそ、お気に入りの傘をさし、心明るく過ごすことの大切さ」を教えてくださった。
たくさんの貴重な学びをいただいたが、不思議なもので、特に印象に残っているのが、「傘」の話である。
カフェでそんなことを思いながら店を後にしていざ外へ。
傘をさして雨の中を歩き出す。
時々、人とすれ違うとき、お互いが傘を斜めに傾げて、ぶつからないように配慮する。
まるで息を合わせたように。
見ず知らずの人と交わす江戸しぐさの「傘かしげ」の瞬間がとても嬉しく心温まる。
私の雨の日の楽しみである。
Emiko Manners Academy
代表 小林 恵美子