今回は、プロトコールの5原則の1つ、<序列の重要性>についてです。
国際的な公式行事でなくても、会議やパーティ、タクシーや新幹線など、ビジネスやプライベートなシーンで大切な「席次」。
その席次を決める際に重要なのが、今回のテーマ「序列」です。
誰にどの席に座っていただくか。
どの場所に立っていただくか。
記念撮影の際にはどのように並んでいただくか。
自分はどこに位置するべきか。
立場の異なるもの同士が一堂に会して会議や会食を行うとき、立場の違いを考慮しながら「席次」を決めることで、誰もが安心してその場のスタートラインに立つことができます。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会も、今年5月に開催された国際会議、主要国首脳会議(G7広島サミット)も、「序列」を考慮した「席次」が決められていました。
一例として、G7サミットの「序列」をご紹介いたします。
- 主催国首脳
- 首脳が国家元首(大統領)である国(アメリカ、フランス)
- 首脳が首席宰相(行政府の長)である国(日本、イギリス、イタリア、カナダ、ドイツ)
なお、それぞれの首脳が同格の場合は、在任期間が長い順に序列が決まります。
上記に従って、写真撮影の位置を決めたり、丸テーブルの席を決めています。
「誰もが尊重されて平等に扱われること」を目的につくられた「プロトコール」の原則をまず基本とすること。
対応に迷ったとしても、「誰もが納得するルール」があるから安心です!
ただし、心しておかなければならないのは、ルールに囚われてがんじがらめにならないことです。
T P Oに応じて臨機応変に対応することが求められます。
過去の事例から学び、自分で判断できないときは先輩や上司に相談するといいですね。
ただし、コロナ禍での生活は、前例のないことの連続ですから、その時々に判断が委ねられました。
例えば、会社に出社せずに会議や面談をオンラインで行うことが増えた頃、画面に映る位置(席次)をどうすれば良いかとのお悩みをよく伺いました。
結論としては、「映る位置は主催する側でコントロールできませんので気にしなくても良い」のですが、結論がどうのこうのよりも、そのご質問をしてくださった方々の「細やかなお心遣い」に私は深く感動いたしました。
マナーもプロトコールも、出発点は「相手を思いやる気持ち」「相手を尊重する心遣い」です。
それをしっかりと心に留めながら、相手への配慮を「席次」で示して行きましょう。
Emiko Manners Academy
代表 小林 恵美子